標本平均の分散はなぜサンプルサイズnで割るのか
標本平均の分散 (ただしは母分散、はサンプルサイズ)がなぜこのような形になっているのか。
結論から言うと、サンプルサイズが大きければ標本平均の分散は0に収束し、標本平均の期待値が母平均に収束するからである。これは大数の法則が主張したいことそのものである。
母集団から任意のサンプルサイズ個の標本を無作為に抽出し、その標本平均を求める。この復元抽出を繰り返し行い、毎回の標本平均を求め、標本平均の分散を求める。 例えば、サンプルサイズが個や個といった小さな数で抽出を繰り返せば、標本平均は毎回大きく違った値を取ることが予想される。 反対に、サンプルサイズを増やしやなどといったたくさんの標本を抽出することで、毎回似たような標本平均が得られることが予想できる。 抽出する数を増やせば増やすほど、標本平均の分散はに収束し、標本平均は母平均に収束する。
したがって、標本平均の分散は分母にサンプルサイズがあることで、サンプルサイズがのとき分散がに収束し、標本平均が母平均と一致することを表している。
参考
p.183, 184